手提げ金庫を使った本格的なごっこ遊びをする我が子達

大学のサークル活動を通じて夫と知り合った私は、その後5年の交際を経て結婚。奈良県の旧家出身だった夫側の要望を飲む形で、私は先方の家に入りました。

嫁入りをした私を待っていたのは、「これ本当に現代なんだろうか?」と思わず呟いてしまうほど、旧態依然とした夫の実家の現状でした。やたらと厳しかった姑曰く、「この家は江戸時代から続く豪農で、由緒正しい家柄。お前も嫁に来たからには、それに相応しい振る舞いをしてもらうよ」とのことで、私は一から「明かに相応しい立ち居振る舞い」とやらを教え込まれました。

正直、何度離婚して実家に帰ってやると思ったか数えきれませんが、それも姑が他界してからは良き思い出となり、今は伸び伸びと家事や育児に精を出させてもらっています。
実際、うちの子供たちも姑が厳しくて中々自由に遊べず、フラストレーションが溜まっていた様子。今は近所の友だちとフリーダムに遊びまわっています。先日も家の蔵から出てきた古い手提げ式の金庫を持って走り回り、「あばよ~とっつぁーん!」と逃走ごっこをして遊んでいました。

きっと、姑が生きていたら我が子たちはこんなに伸び伸びと遊べなかったはずです。あまり人を悪く言いたくはありませんが、私は「こうなって本当に良かった」と思っています。